火の国

八代郡

 むかし景行天皇の命をうけた健緒組(たけをくみ)の軍が、賊を平定しようと八代郡まで来たとき、夜空に謎の火が輝き、ゆるやかに山に落ちて燃えた。このことがあったために、武力を使はずに国を平定することができたといふ。報告を聞いた天皇は、それをよろこばれて「火の国」と名づけ、健緒組を国造に任命した。  八代郡鏡町、印鑰神社の八代の池を詠んだ歌。

 ○影も見じ。日数を映す旅衣、身をやつしろの池の鏡に     細川幽斎