熊本城

熊本市

 熊本に本格的な城が築かれたのは大永享禄のころで、鹿子木(かのこぎ)親員(入道寂心)が五六〇町を領して隈本(くまもと)城主となったころである。寂心の墓所は硯川近くにある。

 ○おもはくの千々に流るる硯川、淀む片瀬に月宿るらん     鹿子木寂心

 慶長六年に、加藤清正が城主となったとき、大規模な城の改修がなされた。このとき「畏」の字を忌んで隈本を熊本と改めたといふ。

 ○熊本に石ひきまはす茶臼山、敵に勝たう(加藤)の城の主かな 落書

 清正は文禄の役では一万の兵とともに朝鮮に出兵した。

 ○ふるさとの山はいかにや霞むらん。異国(ことくに)からの春のあけぼの  加藤清正