じゃがたら文

長崎市

 江戸時代の初めの寛永のころ、国外追放をうけた長崎の混血児たちは、居住先の東南アジア方面から故郷へ手紙を書き、年に一度の輸送船に託したといふ。じやがたら文といふ。

 ○おもひやるやまとの道の遥けきも夢にま近くこえぬ夜ぞなき  お春

 ○長崎の鴬は鳴くいまもなほ、じやがたら文のお春あはれと   吉井 勇