但馬は古代の絹糸の名産地で、糸井川の流れる朝来郡和田山町あたりを詠んだ歌がある。 ○妹(いも)がくる糸井の里のたまき山、よるよる此に宿りぬるかな 為家 夫木抄 和田山町大字寺内の佐伎都比古阿流知(さ き つ ひ こ あ る ちの)命(みこと)神社は、垂仁天皇の御代に但馬国に滞在した新羅王子・天日槍を助けたといふ前津耳(まへつみみ)をまつる。 ○但馬糸のよれど思はぬ思ひをば何のたたりにつきて祓はむ 六帖