つみのえ

吉野

 むかし吉野の味稲(あぢしね)といふ漁夫が、谷川で梁を打ってゐると、川上から(つみ)の枝が流れてきた。枝は仙女と化し、男は仙女と結婚したといふ。(万葉集)

 ○霰ふり吉志美(きしみ)が岳を(さか)しみと、草取りかねて、(いも)が手を取る    万葉集385

 ○この夕べ、(つみ)のさ枝の流れ来ば、梁は打たずて取らずかもあらむ  万葉集386