小泊瀬山

桜井市

 むかしある娘が、父母に知らせずに恋しい男と契った。男は娘を得はしたものの、娘の親のことを考へると、どうももの怖ぢしてしまひ、通ふことをためらってゐたので、女は歌を男に贈り届けたといふ。(万葉集)

 ○事しあらば小泊瀬山の石城にも、(こも)らば共に、な思ひ。わが()   万葉集3806

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 初瀬川の上流の宇陀郡は、大和から東国への街道筋にあたる

 ○阿騎の野に宿る旅人、打ち靡き、寝も寝らめやも、古へ思ふに   柿本人麿