三上山 俵藤太の百足退治

野洲郡野洲町三上山

 延喜十八年(918)、俵藤太が瀬田の唐橋を通らうとすると、橋の上に大蛇が寝そべってゐた。藤太が大蛇を跨いで進まうとすると、大蛇は訴へた。自分は琵琶湖に住む大蛇だが、三上山の大ムカデのために、一族が滅ぼされようとしてゐると。そこで藤太は、大蛇の巻き起こす水柱に乗って三上山へ飛んで行き、唾をつけた矢で百足を退治したといふ。

 ○千早振る三上の山の榊葉の栄えぞまさる末の世までに       能宣