むかし天智天皇が近江国蒲生野(がま ふ の)で遊猟されたとき、額田王と大海人皇子が詠んだ歌がある。 ○あかねさす紫野ゆき、標野(しめの)ゆき、野守は見ずや、君が袖振る 額田王 ○紫の匂へる妹(いも)を憎くあらば、ひと妻ゆゑにわれ恋ひめやも 大海人皇子 蒲生野は八日市市船岡山付近といひ、八日市市はその名の通り古代の市が栄えた地で、市の神をまつった市神神社がある。ここを流れる愛知川の上流に木地師の里がある。