気比(けひ)神宮は、気比大神(伊奢沙別(いざさわけ)命)ほかをまつる。十代崇神天皇の御代に、敦賀の港に来たといふ任那の王子・都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)命が、境内の角鹿(つぬが)神社にまつられてゐる。敦賀の港は畿内と大陸をむすぶ要地であった。末社に式内社・剣神社などもある。 ○山を切る剣を峰に残し置きて、神さびにけり。気比の古宮 行遍 ○敦賀の蟹、記紀の古謡に生きつぎて、渤海びとら船寄せし港 窪田章一郎