五箇山

 五箇山(ご か やま)地方の民謡の「麦や節」は、明治のころまで「輪島」と呼ばれた唄で、輪島素麺で知られる能登の粉挽き唄が移入したものであることは確からしい。五箇山地方は、加賀藩の流刑地でもあったことから、輪島出身のお小夜といふ遊女が流罪となって、この地に来て伝へた唄ともいふ。お小夜の悲恋の話も伝はる。平家落人伝説もある。

 ○麦や菜種は二年で刈るが、米はお禄で年はらみ          麦や節

 ○屋島出る時ゃ涙で出たが、住めば都の五箇の山          麦や節