立山・雄山神社

中新川郡立山町

 大宝元年(701)、景行天皇の後裔であるといふ越中国司・佐伯有若の子、有頼少年が山に狩りに行き、白鷹に導かれて熊を追って岩窟に至ると、どこからか神の声が聞えた。「我、濁世の衆生を救はんがため此の山に現はる。或いは鷹となり、或いは熊となり、汝をここに導きしは、この霊山を開かせんがためなり」。この雄山の神の神勅により、開山されたのが立山であり、雄山の神をまつったのが雄山神社であるといふ。有頼少年は末社の若宮にまつられてゐる。

 ○立山(たちやま)に降り置ける雪を、常夏に見れども飽かぬ。神ながらならし  大伴家持