諸歌

 ○玉川の流れを引ける小金井の桜の花は、葉ながら咲けり       正岡子規

青梅市沢井

 ○西多摩の山の酒屋の鉾杉は、三もと五もと青き鉾杉         北原白秋

多摩川べりに住んだ画家の川合玉堂は、ある日、孫が桂川(山梨県)で拾ってきた石が、色、形ともよい凹みのある石なので、そのまま硯にしたといふ。「白頭翁の硯」と名づけた。

 ○河狩りに孫の拾ひしこの小石、すずりになりぬ。歌書きて見し    川合玉堂

小河内村 小河内ダムがある

 ○水底とつひに沈まむ。み湯どころ、小河内の村に一夜寝にけり    北原白秋