太田道潅

と川越城、山吹の里

 川越氷川神社は、欽明天皇二年(571) に氷川神社(大宮)を分祀したものといふ。長禄元年に川越城を築いた太田道真・道潅の父子は、川越氷川社を深く崇敬し、道潅は和歌を献納した。

 ○老いらくの身をつみてこそ、武蔵野の草にいつまで残る白雪  (慕景集)

 太田道潅が歌の道に入るきっかけとなったといふ山吹の里とは、新宿区面影橋付近ともいふが、入間郡越生町だともいふ。道潅の開基といふ龍穏寺も越生町にある。

 ○七重八重花は咲けども、山吹のみの一つだになきぞかなしき

 ○歌にゆかしいあの山吹の、里よ武蔵野、アリャ越な町(越生小唄)  野口雨情