御救ひ梅

甘楽町小幡 菅原神社

 甘楽町小幡の菅原神社は、御神体が川から引き上げられたので、川上天神ともいふ。

 むかし小幡の土地の長者の娘が、継母にうとまれ、川に突き落とされた。娘は水に溺れまいと、必死に川上の神を祈って歌を口ずさんだ。

 ○川上の神の誓ひもあらなむに、救はせたまへ、この川の主

 すると突然、目の前に花を咲かせた梅の枝が見えたので、枝にすがりついた。ふと我にかへってあたりを見ると、菅原神社の社前の梅の枝にしがみついてゐたといふ。