添ふが森、添はずが森
吾妻郡高山村尻高
上州吾妻郡の
○美しき花に一足ふみ迷ひ、出家の道をかがやきにけり 禰津太江
「かがやく」とは方言で「探す」の意味だといふ。
あはび姫は、旅の荷物を泣く泣く名久田川に沈めて、川の南の鳥美の森で息絶えた。
○半形となるもあはびの片思ひ、未来は深く添ふが森せぬ あはび姫
あはび姫を葬った塚を、
太江はのちに熱退和尚と名告り、七代目の住職として生涯を終へた。
○身を思へば世に名をよごす、人々の迷ひの花を散らしけるらむ 熱退和尚
遺言により、「添ふが森」の対岸に葬られ、里人はこの塚を熱退塚と呼び、森を「添はずが森」と呼んだ。ここに石の祠が立てられ、