八木節

新田郡

 ○またも出ました三角野郎が、四面四角のやぐらの上で……    (八木節)

 正徳のころ越後から新田郡の木崎宿(新田町)へ来た小夜といふ遊女が伝へた新保広大寺くづしといふ曲がこの地方の盆踊唄となり、栃木県足利郡八木宿(足利市福居町)へ広まり、堀込源太といふ馬方が芝居小屋などで早いテンポの曲にして歌ってから、広く大流行したものといふ。歌詞は長い口説調で「国定忠次」他の演目がある。小夜といふ名は漂泊の女性によくある名である。