神明橋

いわき市平上高久(旧平町)神明神社

 延宝(1673-)のころ祐天和尚が帰京の道すがら、(たひら)の城下町のはづれで里人の姿を見て、

 ○冬おきて夏かれ草を刈りに行く

と発句すると、神明社の前の神明橋の上から、一人の里人が振り返って、

 ○神明橋はゆるぎなく成り

と、下句を付けた。神明橋は毎年のやうに大水で流されてゐたが、この歌の功徳により、以後は流されることはなくなったといふ。