古川

をだえ姫、炭焼藤太

 古川市の緒絶川にかかる緒絶(をだえ)の橋は、嵯峨天皇のころ、白玉姫が身を投げて死んだといふ。

 ○陸奥のをだえの橋やこれならむ、踏みみ踏まずみ、心まどはす  藤原道雅

 古川市の周辺の仙北地方は、穀倉地帯として知られる。

 ○古川名物、何かと聞けば、米のなる木に黒いつら

 この歌の「黒いつら」とは炭焼を生業とする者のことで、岩手県境の栗原郡金成町には、炭焼藤太といふ炭焼の長者が住んだ。藤太の子が金売吉次だともいふ。